1-1 覚悟を決めろ!世界は今も戦争中だ

1日目:メインイメージ

あなたの目に世界はどのように映っているだろうか?

子供の頃と今とでは、まったく別の世界になってしまった人も多いだろう。
あなたと、あなたの隣の人が見ている世界は同じだろうか?

ビジネスを開始する前に、あなたはあなたの闘争心に火をつけなければならない。
あなたの心が平和と愛に満たされていたとしても、会社から一歩外へ出れば、遊びで殺戮を楽しむオオカミたちが徘徊しているからだ。

世界はどういうところなのか?
この認識が大きくずれていると、とても多くの時間と努力を無駄にすることになる。

世界はとてもシンプルだ。
石器時代から、人間関係の基本的な要素は何も変わってはいない。

それは、
口がうまくて「できる人間」が、土地や財産をかき集め、敵対する人間を騙して、富を拡大させていくということだ。

騙すというと響きは悪いけど、「理念のため」「仲間のため」「地域のため」「未来のため」という言葉を掲げたところで、起きている現象は同じことなのだ。
富が、特定の人間の元へと集まってくる。

日本人は純朴で勤勉な農耕民族だから口ベタで人が良すぎる。あなたは、そう思うかもしれない。
だが、北海道や沖縄にもともと住んでいた人たちを騙す程度には、口が達者だったわけだ。
今は、もっと口の達者な民族にコテンパンにやられているだけの話で、そこには相対的な差しかない。
日本列島でかつて暮らしていた民族の目には、日本人はどのように映っていたのだろうか?
少なくとも和を尊び、純朴であどけない印象からは程遠い存在だっただろう。

学校の教室内で弱者が遭遇する「いじめ」や「強奪」は、そのまま世界の弱小国が受ける仕打ちに何と似ていることか!
中堅国がどの強国につくべきか色目を使い、強国同士がお互いの力を試し合い、覇権国が決まっていく。昔、そんな光景を教室で見かけなかっただろうか?

子供たちの間で起きていることも、世界で起きていることも根本的には何ら変わりはない。
同じ人間なのだから、当然といえば当然だ。

しかし大人になった僕たちの目に見える世界は、もっと虚飾に満ちていて複雑だから、そのことが分かりにくい。

愛と笑顔に満ちているように見える慈善団体が、実は人身売買を行う犯罪組織であることも珍しくない。
和解の宴会で毒杯を差し出す。根拠のない偽の情報を喧伝する。相手の情報を盗んで殺してしまう。

ビジネスは、こういった人間の営みの延長上にあるということを忘れてはいけない。
少なくとも、そう考えている人たちが一定数いることを胸にとどめておいてほしい。
負けるということは「死」ぬということだ。

僕だってビジネスよりも芸術や文化に価値があると信じて生きてきた人間だった。
でも、起業してすぐに、それが「できない人」特有の倫理であることに気づいた。

負けたら死ぬのだ。
今は消えてしまった多くの民族や文明のことを思い出すまでもなく、純朴で信じやすい人間は、文字通り死んで消えていく。
どんなに民度が高く、すばらしい文化をもっていても、戦争に負けたらこの世から消えていく。文化は廃れ、残った人間は奴隷になり、富は収奪される。

絶対に忘れないで欲しい!
ビジネスの世界も変わらず同じであることを。
良心的なサービスを提供すれば、事業はうまくいくはずだ、と誰もが思うかもしれない。
ではなぜ、良心的なはずの店がつぶれ、お客さんを騙すようなSEO専門業者が莫大な利益を上げるようなことが起こるのだろう?
生き残ることと、良心的であることは、イコールではないのだ。

もちろん、あなたはこんな世界で「できる人」に少しでも近づけるように相手をやりこめる必要なんてない。心を痛めずに、長年働いてきた仲間を捨てるような人間になる必要はない。

でも、知っている必要があるのだ。

サバンナに時おり出現する猛獣の存在を。
鮮やかな色で誘ってくる毒林檎を。
あなたは正しく知らなければならない。
たった1人の悪意ある人間によって、すべてを失うこともあるのだから。

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