TWG Tea(ティーダブリュージー ティー)という紅茶ブランドがあるのをご存じだろうか。
1837という年号が大きく記載された、いかにも歴史がありそうなシンガポールの紅茶ブランドだ。
だが、このブランドができたのは2008年。
1837年とは、シンガポールに商工会議所が作られ、紅茶貿易が開始された年のことだという。
また「TWG」という文字は、紅茶を飲まない人でも、一度は見たことがある「TWININGS」を連想させる。
TWININGS ロゴで検索すると「TWG」のロゴ画像が出てきてしまうほどだ。
こちらは創業300年の老舗である。
さらには、ロゴ・商品・店構えの雰囲気は紅茶ブランドの「マリアージュ・フレール」にそっくりだ。
実際に、「マリアージュ・フレール」関係者をヘッドハンティングして始めた会社だから、似ているというよりは、そのまま真似しているのだろう。
ここまでして、訴訟にならないのか、心配だが、やはり香港では訴訟になっていて、1837の表記がやや異なっている。
それでもブランドとしては成功した。
今ではシンガポール土産の定番として確立し、世界各国に店舗を構えている。
訴訟はされるが、大きな問題にはなっていない。
なぜか。
多くのブランドが多かれ少なかれ、同じことをやっているからだ。
訴訟を起こせば「やぶ蛇」になってしまうのは、目に見えている。
だから、手を出せないのだ。
エルメスやカルティエだって、さかのぼって検証すれば何が出てくるか分からない。
これは面白い、と僕は思った。
いかに消費者がイメージと雰囲気だけで商品を買っているか、が如実に表れているからだ。
一種の皮肉にさえ見える。
もちろんおいしい商品でなければ、長続きはしないが、おいしい紅茶は他にもたくさんあるはずだ。
でも、多くの人に手に取ってはもらえない。
そもそも「歴史」がなければブランドが成り立たないと、皆が思っていて、なんとか設立を創業に書き換え、年数を古くしようと努力してきた。
創業の古い小さな会社を買い、関係者を探して創業年ロンダリングを必死に試み、1850年よりも「嘉永3年」のほうが歴史がありそうだ、などと旅館や料亭も積極的に「歴史」をアピールしてきた。
でも、そんなことはどうだって良かったわけだ。
「1837」という数字さえ記載すれば消費者は買うわけだから。
歴史に限らず、果汁1%未満の液体が「オレンジジュース」として平気で売っているし、スナック菓子に「沖縄」と大きな表示があるので手に取ってみると、沖縄の塩がふりかけてあるだけ、というようなことは日常にあふれている。
いわば、どんな商品でも、好きなイメージをつけて売ることができる。
商品ブランディングを工夫すれば理屈とこじつけで、売上を何倍にも伸ばすことができるのだ。
会社を設立してビジネスを始める時は、何も生真面目にならなくたっていい。
実績や歴史がないことを、わざわざ言う必要もない。
あなたの会社が設立1年目だとしても、10年前に今の仕事に関係しているようなことを少しだけしていれば、創業10年と表記したって何の問題もないのだ。
少なくともホームページの会社概要からは設立年月日など消してしまおう。
設立5年くらい経過するまでは、そんなものはなくたって大丈夫。
(実際に僕はそうしたが何の問題もなかった)
別の部分でアピールして信頼を勝ち取れば、それでビジネスは成り立つのだ。
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