W杯で日本がベルギーに負けたのは日本人サポーターのせいだった

2018.07.19  話題ネタ

僕はとくにサッカーに興味があるわけでもないし、熱心にリアルタイムでワールドカップを見ていたわけでもない。
でも試合の結果やそれに対するサポーターや視聴者の反応については、考えさせられることが多かった。

まず、ポーランド戦だ。

状況説明は不要だろうが、日本がポーランドに1-0で負けているにも関わらず、時間稼ぎをしたと非難された。
下手に攻め上がって、カウンターで失点すると、決勝トーナメントへは出場できなくなってしまうからだ。

時間稼ぎが成功して、得失点差の同じセネガルよりもイエローカードの数が少ないという理由で日本は決勝トーナメントに進むことができた。

興味深かったのは、敗退したセネガルだけでなく、多くの日本人がこのプレーに対して不快感を示したことだ。
まるで自分が侮辱されたかのように憤っていた。

コロンビアやセネガルに正面から攻撃を仕掛けた日本のプレーが賞賛された矢先だったからかもしれない。
日本人の観客が会場のゴミ拾いをして世界から賞賛され、
在コロンビア日本大使館が心ない一部のコロンビア人の投稿に寛容さを示して賞賛され、
真面目でひたむきな日本人像に世界が理解を示したと受け取っていた多くの日本人にとって、
「美しい日本人がそんな卑怯なプレーをするはずがない」
という気持ちがあったのだろう。

プレーそのものの戦術的な可否よりも、
「世界の方々が日本人を卑怯者という目で見るのは耐えられない。日本人は真面目で正直な人種なのだから」
ということだ。

久米宏などのコメンテーターはさらに辛辣だった。
・日本のスポーツは宣誓で必ず含まれるように「正々堂々」でなければならない。
・普段子どもにサッカーを教えている選手は、このプレーを子どもにどう説明するのか?
・震災の被災者を勇気づけようと戦っている選手は、今の姿を被災地に見せられるのか?

など、およそサッカーとは関係ない着眼点で、責め立てていた。
そういった状況に、何か非常に不快な気持ちになり、子どもの頃に親の背中越しによくニュースステーションを見ていたけど、知らない間に偏った見識を植え付けられていないか本気で心配になったほどだ。

そしてベルギー戦。

とうてい勝てないだろうと思われていた日本が2点を先取。
ひょっとしたら勝てるのでは。
と思ったのもつかの間、3点連続失点して、そのまま敗退した。

その後の日本人サポーターの迎え方は
・素晴らしい戦いだった
・ベルギー相手によく戦った
・勇気づけられた
など肯定的なものが多かった。

僕は選手を気の毒に思ったし、現在の日本の病理をよく示している気がした。

選手たちを敗退へ追いやったのは、日本人サポーターだと感じていたからだ。
西野監督もポーランド戦の後、選手たちに陳謝し、素直に喜べる状況ではない、心にひっかかるものがあったと会見でこぼしている。

つまり、直前のポーランド戦が、ベルギー戦へも影響を与えていたのだ。
2点先取した後に、
「ポーランド戦と同じようなやり方、もしくは守りを強化するような戦い方で勝ったとして、それを母国は喜んでくれるのだろうか?」
という考えが頭をよぎり、攻め続けざるを得なかったのかもしれない。

それもそうだ。
日本が勝ち進めば、日本人サポーターは喜んでくれるという一心で、確実に勝ち進んだのに、日本中から非難されてしまうのだから。
もう、前へ突き進むしかない。
特攻隊のように。

敗退の後、すぐにゴミ1つない日本チームのロッカールームの写真の中にロシア語で「ありがとう」と残されたというニュースが世界の賞賛とともに日本人サポーターの心を慰めた。

監督や選手たちの顔は苦々しかった。
何か言いたくても、とても言える状況じゃない。
大会を通じて選手たちの結束が高まったと言われてるのは、
選手を「おっさん」呼ばわりして、次に勝ち進むと「卑怯者」と蔑み、負けると「感動をありがとう」と好き勝手に言ってきた、日本人サポーター(メディア)の存在があったからだと思う。

そして今は、もう記憶のどこにも残っていないのだ。

元日本代表監督のトルシエが「日本は繊細すぎた」とベルギー戦を評していたのを目にして、ふと今日、こんなことを書く気になった。
トルシエだったら2点リードした時点で戦術を変えた、と言いたかったのかもしれないし、
3点連続で失点した理由をはっきりとさせない気持ち悪さも感じていたのだろう。
フランス人にとっては、勝つことよりも、正々堂々と負けて喜ぶ国民性なんてとても理解できない。
理解はできないけれど、日本と深く関わったトルシエには心当たりがあったのかもしれない。
トルシエ自身は「日本が勝てる試合だった」と明言している。

実際に守りに徹してベルギーに勝ったフランスは、ベルギーから卑怯だと避難されたが、
まさか総立ちになった自国民から罵倒されるような目には遭っていないだろう。
フランスは、そのあと優勝した。

もうそろそろ、いい加減、敗者の美学を捨てても良いのではないかと思う。
これがスポーツだったからまだ良かったけど、経済や政治では、取り返しのつかないことも起こりうる。
いや、すでに起こっているので日本が衰退し続けているのではないだろうか。
技術水準も下がり、どんな貧困国になっても、「世界の皆さんが誠実な日本人に感動しています」というニュースさえ流せば日本人は喜ぶのだから。


↓ もしよろしければこちらもご覧ください ↓

【電子書籍 (Kindle版)】
できない僕がスモールビジネスで成功したアイデアと方法

  1. 全130ページ(55000字)すべて実体験で作り上げた独自の内容
  2. 全業種対応。フリーランス・起業家が最初に知っておくべき事業の始め方
  3. Kindle Unlimitedで無料で読めるようになりました!
  4. スマホ(iPhone/Android)でも読むことができます。

期間限定価格 470円

KindleUnlimited 0円

Amazonで購入する
できない僕がスモールビジネスで成功したアイデアと方法


この記事へのコメントをお待ちしています。

Page top