8-2 お金を使わずにブランドイメージを強化する方法

8日目:メインイメージ

開店時に導入したどんな最新式の設備も、ピカピカの店舗も、数年がたてば古びてぼろぼろになっていく。
日本人は新しいものが好きだ。
まるで古いものが悪であるかのように、遅れている技術、汚れたもの、中古のものを嫌う人が多い。

最初はどんなに目新しい印象を与えていたサービスでも、何1つサービス内容を変えなければ、価格に対して少しずつ価値が目減りしていくのである。

それを補うものがブランディングだ。
店構えが古くても一本筋が通ったステーキ専門店は、長く愛される。
一方、同じ年月が経過している弁当屋はどうだろう?
古くなれば古くなるほど、値段を安くしなければ売れにくいのではないだろうか?

弁当屋さんで売っている850円の「焼肉弁当」と、
ステーキ専門店が売っている1日50個限定の1000円の「焼肉御前」の中身が同じだったとしても、やはり多くの人はステーキ専門店の弁当を食べてみたいと思うものである。
内容は変わらない。味も変わらない。
違うのはイメージだけだ。

専門店で作っている個数限定の弁当だからおいしいに違いない、という「希少なイメージ」と、ステーキ専門店という高そうな店の商品をリーズナブルな価格で買えるという「お得感」だ。どちらもお客さんの勝手な思い込みでしかない。
コンビニで売っているソフトクリームと、観光牧場で売っているソフトクリームが、同じ成分、同じ機械で作られていたとしても、やはり多くの人が観光牧場のソフトクリームを食べてみたくなるのである。

ここで重要なのは、他の商品よりも価格が高いにも関わらず、お客さんがお得だと感じていることだ。
お客さんが納得していて、なおかつ利益率が高くなるのなら、やらない選択肢はない。
もし、あなたの商品やサービスに何の特徴もなく、何の専門性もなければ、この「希少なイメージ」と「お得感」を演出することが、より利益を高めることに貢献してくれる。

具体的には、あなたが安い価格で提供してきたサービスを値上げする。もしくはサービスの質を下げてしまう。
同時に、既存サービスよりも圧倒的に高価格のサービスを別に立ち上げてしまうのだ。

たとえば格安ホームページ制作はどこにでもある弁当屋にあたるだろう。
ステーキ専門店はコンサルや集客相談付き、デザイン性の高いホームページ制作だと考えればいい。この価格は別に100万と表示しておいてもいい。実際は受注しなくてもいいのだから。
そして、従来の格安サービスは、直接訪問による打ち合わせも電話受付も止めてしまう。本来弊社は100万円でコンサルを行う会社ですが、遠方の方は格安でサービスをご利用できますよ、ただし一ヶ月限定5名様までです、という位置づけに変える。

すると、不思議なもので、薄利多売の日替わり弁当のように見えていた格安ホームページが、希少でお得な限定プランに変わってしまうのである。
さらに打ち合わせに行かなくても良いし、電話を受ける必要がなくなる。
こちらが本当に売りたいものは格安ホームページだったとしても、あえて別に高い商品を用意し、本業のかたわらサービス価格で提供しています、とい姿勢を見せることで、お客さんへの優位性を保つことができるのだ。

ここで重要なのは、店舗やサービスそのものを作り変えるのではなく、リアル空間とネット空間が決して交わらない点を、うまく利用して自社内に別ブランドを構築することがポイントだ。弁当屋をいきなりステーキ専門店に改装するのはお金がかかりすぎてリスクが高い。

もしあなたが精肉店を開いているとしよう。仕入れルートはどこにも負けず、とても新鮮な肉を仕入れているのに、採算ラインぎりぎりの毎日だ。すでにコロッケや総菜を作ったり、弁当を作ったりいろいろ試したが経営は苦しい。

さきほどの手法を使う場合は、この店で、あえて高級和牛専門のネットショップを立ち上げてみるのだ。
ネットショップを立ち上げることは、店舗を改装するのに較べればほんのわずかな金額で作成できる。
それに高級和牛はそんなに毎日売れるわけではない。在庫を置いておくだけで無駄になってしまうので、在庫は置かない。
だから高級和牛はネット販売のみで、注文が入ってから仕入れればいい。実際の店舗は今まで通りの商品を並べる。

だが高級和牛専門サイトの存在は、のぼり旗などでしっかりとリアル店舗で宣伝しよう。
そしてコロッケの商品名を「自家製和牛入りコロッケ」に変えてみる。
すると、しばらく販売を続けているうちに、どこにでもある商店街のコロッケが、何らかのきっかけで行列ができる可能性を帯び始める。
間違いなく高級和牛のイメージがコロッケの価値を押し上げるからだ。

実際は高級和牛が売れているかどうかは、商店街を歩く人には分からない。
だが、売りたいのは毎日の料理で使う普段のお肉であり、コロッケなのだ。
順調にいけば、この店の売り上げのほとんどをコロッケが占めることになる可能性も高いだろう。
コロッケを売るために、コロッケ専門店へと資源を集中するのではなく、あえて高級和牛専門のホームページを立ち上げることで、イメージを作り変え、コロッケを売りやすい環境を演出することができるのだ。そして、多くの場合、このほうが安く、確実に実行できるのである。
そのうちにコロッケの常連客が、贈答用などで高級和牛を注文するようになってくると、相乗効果で飛躍的に売り上げは伸びていくのだ。

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